プロジェクトマネジメント勉強会

私の経験上、プロジェクトマネジメントで大切だと思っている考え方を定期的に発信します。

失敗のパターンを持っておく

突然ですが、成功の秘訣は何ですか?と聞かれて、パッと答えることが出来るでしょうか。また成功の秘訣を語るスポーツ選手などの話を聞いて、同じことをやっても成功する気がしません。このように成功の秘訣はパターン化するのが難しいのです。

逆に、失敗の秘訣はパターン化しやすいです。料理で例えてみます。焼き過ぎると焦げてしまいます。塩を入れ過ぎると辛くなってしまいます。このように、これをやれば失敗することはわかりやすく定義できるのです。

システム開発に限らず、どんなお仕事でも一緒で、失敗の秘訣はたくさんあります。私、2001年から社会人をやっており、多くの失敗をしました。数えきれないほどの失敗の秘訣を持っておりますが、いくつかあげてみたいと思います。

① メンバーに依頼する際に全くコミュニケーションを取らす、思っていたものとは全く違う成果物が出来上がってしまった。

② インプット資料を読み込まず思い込みで進め、手戻りが発生。

③ 目的の把握をおざなりにしたため、多くの指摘を受けた。

④ 手順を無視して、障害を発生させてしまった。

⑤ 口頭の指示・やりとりだけで、文章に残すことを怠ったため、後で言った言わない問題が発生。

などなど。過去の失敗事例を思い出しながら、失敗の秘訣をパターン化し、自分の中に持っておく。自分ではやらない。メンバーがやろうとしていたら、指摘する。やらなければ成功するとは限らないのですが、成功の確率は確実に上がると思います。失敗は成功のもと、という言葉もあります。失敗都度、失敗の秘訣をパターン化し、自分のレパートリーに追加することをお勧めします。

しかし、自分一人が経験できることは限られています。個人に閉じた経験だけで勝負するのは、非効率です。個人の経験を組織に共有し、また組織も個人の経験を吸い上げる。組織の経験として蓄えることで、組織・プロジェクトの成功確率を上げていくことが重要です。

特に失敗の経験となると、ネガティブな要素を感じることもあるでしょう。失敗を包み隠さず組織に展開した結果、非難され、自分の評価が下がってしまうのではないか?と考えてしまうかも知れません。特に組織の長やプロジェクトのPMが失敗はあってはならないという発想だと、失敗の共有がされることはないでしょう。失敗を共有したことを評価することが、ネガティブ情報をオープンにし、組織・プロジェクトの発展に寄与するのです。

少し前に、問題を隠蔽してしまう組織の話をしました。こちらも参考にして頂ければと思います。

問題を問題と言える風土 - プロジェクトマネジメント勉強会