深く考えることは脳にとって重労働。でも大事なこと。
長い目で考えましょう!これ、理解できます。でも、結論を出し急いで目先の方に流れがち。今日はそんなお話をします。
人間の思考回路には、ファストとスローの2つがあるそうです。ファストは日常ちょくちょく発生する問題に対処するための、自動的、無意識的、本能的に反応する素早い思考です。スローはその逆で、しっかり思考すること。ただ、スローは脳にとって地味な重労働なんです。だからファストに逃げてしまいがち。これが結論を出し急ぐ構造です。
例えは、テレビのリモコン。電源をONにしょうとしましたが、反応がありません。そんな時、電源ボタンを連打したり、電池をくるくる回したり、電池を入れ直したりしませんか?この対処療法がファストで、私もやってしまいます・・・。電池を交換するのがめんどくさくなり、ついつい・・・。
システム開発でもファストが見え隠れすることがあります。テストでバグが出た時、本番でインシデントが発生した時など、真因分析をします。担当者のスキル不足、という分析。これがまさにファストであり、結論の出し急ぎなんです。スローの発想に立つのであれば、何故、スキルの不足している担当が、正しい設計を出来なかったのか?を考えることになります。

また、すぐ諦めてしまう問題も、ファスト思考かも知れません。この処理は、こういう仕組みになっているから現新比較はできません。こんな感じで、現新比較による本番確認を諦めてしまいがちですが、粘り強く考え続けるのです。知恵を絞れば、突破できる事だって多いのです。また、システム開発の前半でスロー思考になっておくことも重要です。現新比較しやすい設計にしておくことも可能です。
反射的に結論を出さず、じっくり考えることが重要です。
情報を使える情報にする方法
今現在、みなさんが1日に得ることが出来る情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の数年~数十年分の情報量だと言われています。今はインターネットあり、生成AIありで、情報に埋もれている時代。すべてインプットしてしまうと、オーバーフローしてしまいます。

また、立場が上がれば、全てを自分で確認することが難しくなります。全部、自分の目で確認しよう!これは素晴らしい心がけですが、これもオーバーフローしてしまいます。人から情報を得て、決断・判断する必要があるのです。
情報量が多い中、スムーズにインプットし、適切な決断・判断をするにはどうしたら良いでしょうか?使えない情報を使える情報に変えることが重要です。
私たちは人間ですから感情を持ち合わせています。でも、感情が真実を隠してしまい、使えない情報になってしまうこともあるのです。メンバーが上司にこんな報告をしました。「〇〇さん、全然やる気がなくて、みんな困っています。何とかしてください。」やる気がないという表現には、苛立ちが見え隠れしていますよね。感情が表に出ている状態だと思います。この感情の裏にある事実を確認することが大事です。どういう行動からやる気がないと思ったのか?実際に行動した事実を確認しましょう。
確認したところ、〇〇さんは大切な商談中に居眠りしていることがわかりました。事実がわかって、初めて注意するなどの対処が出来るようになります。ただ、居眠りの背景は確認する必要があると思います。トラブル続きで、ろくな睡眠が出来ていない状況でしたら、大事な商談であってもリスケする配慮も必要だったのかも知れません。
いかようにも解釈できるワードも使えない情報です。「しっかり管理してください!」と注意しているケース。なぜ、管理できていないと思ったのか?そこまで掘り下げる必要があります。
最初の話に戻ります。「みなさんが1日に得ることが出来る情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の数年~数十年分の情報量だと言われています。」のくだり。これ、信じましたか?実は、この数字は正確な科学的根拠に基づくものではなく、現代と過去の情報量の極端な違いをイメージしやすく伝えるための比喩表現です。大きく間違ってはいませんが、数字も時と場合によっては使えない情報となり得ます。注意が必要です。
マネジメントが難しい理由
マネジメントって難しいなぁ・・・と思ったことがある管理職の皆様、リーダーの皆様、多いんじゃないかと思います。そうなんです、マネジメントは難しいんです。

マネジメントには理論があります。理論があるのは算数と同じ。でも、算数とは違います。少し説明します。小学校の時に、三角形の面積の求め方を教わります。三角形の面積は、底辺×高さ÷2で求めることが出来ます。
これ、いわゆる理論ですよね。そして、いつ、どこで計算しても、結果は同じです。忙しい時であるうが、地球じゃなくて月で計算しても、三角形の面積は、底辺×高さ÷2で不変なんです。でも、マネジメントは違います。
① 組織で仕事をする上では、メンバーへの指示は必要
② 自分の意見を押し付けてはいけない
①も②も、正しいことを言っていると思いますし、いわゆる理論だと思います。でも、「この資料、今週中にまとめておいてくれる?」と指示したところ、メンバーから「また押し付けですか?自分でやったらどうですか?」と言われてしまいました・・・。なぜでしょう?
もしかしたら、メンバーが忙しいタイミングだったのかも知れませんし、役割の境界線が曖昧だったのかも知れません。
算数の公式とは違って、マネジメントは理論通りやっても上手く行かないことがあるのです。お仕事・システム開発は、機械相手ではなく、人と人で行うもので感情が伴います。また、その時々の状況(忙しいだとか)によっても、流動的でなければいけません。でも、理論通りにやってみることは大事です。そして上手く行かないを経験するのです。上記の例であれば、役割の境界線が曖昧だった、という反省点が出てきます。
次は明確にしてから指示をする、カイゼンの繰り返しで上手く行くようになっていきます。一言で言うと、マネジメントはバランスが大事。このバランス感覚は、理論を実践することで見についていくものだと思っています。
資料は紙芝居のように。ストーリーを作る重要性。
突然ですが、めちゃくちゃ有名な昔話。

① むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

② 毎日、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

③ ある日、おばあさんが川でせっせと洗濯をしていると、川上から大きな桃がひとつ流れてきました。

④ おばあさんは、おじいさんへのお土産にと、大きな桃を家へ持って帰りました。

紙芝居や絵本だと①〜④それぞれに、情景を描いた絵が存在します。AIに描いてもらったら、なんだか海外風の桃太郎になってしまいました。。。
絵があったほうがわかりやすいですが、なくても伝わります。①〜④はそのページで伝えたいことです。ストーリー性があれば、言葉だけでも十分伝わります。
パワポなどの資料も、これを目指す必要があります。それに向けて、最初に伝えたいことだけを書くこと。10ページのパワポであれば、伝えたいこと三行程度だけの10ページを作り、ストーリーがあるのかどうか?を確認する。その後、伝えたいことに沿った、絵や表を書くという順番です。先に絵や表を書いてしまうと、伝えたい事と違う方向に進んでしまいがち。絵に合わせた伝えたい事を書き始めてしまうのです。それは、IPPON グランプリの写真で一言状態です。
訓練によって、この手順を経なくても、ストーリーのある資料が作れるようになりますが、それまではこの手順を徹底することをお勧めします。
また、いきなり③から始まるような資料も散見されます。③ある日、おばあさんが川でせっせと洗濯をしていると、川上から大きな桃がひとつ流れてきました・・・と言われても、唐突感満載です。③につながる①②のような背景や経緯を丁寧に説明することが大事です。
資料を作る時は、まずはストーリーを作る、ストーリーに沿った伝えたいことを書いてみる。その後、絵や表を書くの順番です。これを実戦すると、伝わりやすい資料が完成します。
シンプルな判断・決断が出来るように
判断・決断に迷うことありますよね?決めたことには責任が生じます。決めるにはストレスがかかります。それ故に、判断・決断は難しく、その対策としてシンプルに決められるようにしておくことが重要です。

例えば、昔のドラマやコントでよく出てくる風景。時限爆弾がセットされています。あと、1分で爆発してしまいます。時限爆弾には赤い線と青い線があって、どちらかを切ると爆弾は停止しますが、間違えると爆発してしまいます。どっちが正解なんだ!とか言いながら、勇気を出して線を切るシーン。
これ、演出的には良いのかも知れませんが、そもそも何でこんな設計にしておくんだろう・・・って感じですよね。時限爆弾は止められるようにしておかなければいけない、という発想に立てば、2本の線から正解を選ばせるような設計になっているのは、判断を難しくさせているだけ。線は1本だけで、それを切れば止まる形にしておけばよいのです。逆に、時限爆弾は止められないという発想に立てば、そもそも切れる線なんて不要なんです。
このように、ただでさえ判断・決断に向けてはストレスがかかりますから、シンプルに判断できるような基準、設計にしておくことが重要です。例えば、本番実施計画でのコンチ発動の基準。
① プログラム修正が間に合いそうでなければ戻しを実施する。
② 6時時点で原因が利明していなかったら戻しを実施する。
実際に本番実施で問題が発生しました。さて、①②のどちらの基準の方が判断が簡単でしょうか?①ですと、間に合うかどうか?の判断がまた難しい。②のように時間で区切っておくというのは、判断を簡単にする一つのやり方です。問題発生時は、バタバタします。慌てます。だからこそ、シンプルな判断が重要です。
計画書ではふわっとした表現は禁止です
問題が発生してから、どうしよう?と考えはじめるのは遅いんです。
今月の前半で発生したETCの障害。渋滞や事故の引き金となってしまうなど、大混乱を引き起こしました。
深夜0時30分に問題が発生し、徐々にに渋滞が発生。にっちもさっちもいかなくなった昼過ぎに、ETCのゲートが開放されたのですが、このコンティンプランの発動、遅いなぁ・・・という印象でした。本番実施計画で、コンティンを具体的に決められていなかったんじゃなかろうか?と想像できます。
「多角的に考える」「様々な視点からアプローチする」「ケースバイケースで考える」「多方面にわたり調整する」みたいな用語は、ふわっと用語。それらしいことを言っているようで、具体性はありません。これから何かを考えます!という段階では、検討や議論の方向性としてふわっと用語を使うことはありますが、計画書に落とし込む際にふわっと用語を残しておいてはいけないのです。

本番実施で問題発生。ケースバイケースに考えろ!と言われても困りますよね。即行動する為には、決まっている必要があります。ETC障害であれば、即ETCゲートを開放する、料金を無料にするといった塩梅。料金を無料にするという決断はすぐには出来ません。議論の上、事前に決めておかなければいけないのです。繰り返します。計画書ではふわっとした表現は使ってはいけません。
本番実施計画のコンティンプランで「対策前進」という言葉をよく見かけます。対策前進を調べてみると、いろいろな説明があることがわかります。
・後戻りできないから全力で遂行すること
・都度実行すること
・トライアンドエラー
・切り戻しせず障害を潰しながらリリースを継続すること
また、対策前進の一言だけでは、具体的にやることをイメージすることは出来ません。すぐにプログラムを修正してリリースするケースもあれば、DBメンテ・フアイルメンテをして前に進めるケースもあります。対策前進は、実はふわっと用語です。本番実施計画では、対策前進と言う言葉を使わずに表現することが求められます。