とあるプロジェクトの為に、メンバーが集められました。ほとんどのメンバーは、担当することになるシステムの経験はありません。多くの有識者が集まるプロジェクトは稀です。未経験メンバーの集まりで、基本設計が始まりました。
このようなケースでは、プロジェクトを推進する中でメンバーを育てることが肝心です。未経験からスタートするも、テスト工程に入る頃には第一人者になっているという塩梅。プロジェクト終了後の保守工程でも、核となるメンバーとしての活躍も期待できます。
プロジェクトの中で勝手に育って行くメンバーもいますが、それを期待してはいけません。プロジェクトの成功が運に委ねられることになってしまいます。プロジェクトの中で育成計画を立てる必要があります。
勉強会やレクチャーの場を設ける。システムの知識から、開発のお作法などなど、開発に必要な知識は多岐に渡ります。また、業務を知らなければテストケースを考えることが出来ません。業務のレクチャーに向けてはユーザーにお願いすることも視野に入れましょう。
事前に準備しておくことも肝心です。テスト工程に入ってから、処理の流し方がわからない。本番確認の工程で、本番機の入り方がわからない。こうならないよう、事前に試しておく、訓練しておくことが必要となります。
大きな課題が発生したりすると、プロジェクトを立て直すことに注力し、育成タスクがおざなりになってしまうかも知れません。育成タスクが計画通りに進捗しているかどうか?を可視化すべく、WBSに計上することも忘れては行けません。
このように、育成に向けた計画を立て実行したにもかかわらず、育ったメンバーがプロジェクトから離脱してしまうことがあります。テスト工程に入ってから、未経験のメンバーとの入れ替わりになるなど、なかなか痛い状況です。
やむを得ない事情で離脱することもあります。しかし、プロジェクトが傾き、メンバーの負担が大きくなり、このまま続けることが出来ないと判断されての離脱であるケースも多いと感じます。
テスト工程で炎上しているにも関わらず、燃えながら前に突き進む。気合いと根性で前に進もうとするも、やれどもやれども光が見えない。やはり、こういう状態にはしてはいけないのです。正常化に向けて立ち止まる。理屈で動くことでメンバーを守ることになります。
メンバーを育てる。そして過保護ではいけませんが、メンバーを守る。それがプロジェクトの成長に繋がると思います。
なお、炎上した時に立ち止まる勇気を持つ話を過去に投稿しました。リンクを貼っておきますので、こちらも参考になればと思います。