上司・部下、ユーザー企業も含め、プロジェクトメンバー全員の認識が合っていることは理想的です。しかし、多かれ少なかれ、必ずどこかのレイヤーで認識相違が発生しているものなのです。プロジェクトや仕事を進めるにおいて、多くの関係者が繋がっていますから、100%認識を合わせるのは至難の業なんです。
認識相違に気づいた時、相手に対して、何でわかってくれないんだ!頑固な人だ!なんて思ったりしませんか?これは人を憎む発想です。そうではなく、何故頑固になってしまうのか?(頑固に見えるのか?)を考えることが大事です。私が意識している、何故?をいくつか紹介します。
① 文化の違い
会社員としては、企業理念などの全社方針に向かっていく必要があります。会社によって、理念は違いますし、重要視することが違う可能性があります。特に会社が合併したり、初めての取引のケースでは要注意。文化の違いに敏感になった方が良いです。また、一人一人のメンバーは生まれも育ちも違うのです。まったく同じ思考の人が複数人いるってことは考えにくいです。違いはけしからん!なんでわかってくれないんだ!という発想では前に進みません。違いがある前提で、ものごとを組み立てるのです。
② 利益相反
家電量販店でテレビを買うことにしました。お店側は、一定の利益を出さなくてはいけませんから、割引するとしても限度があります。お客さん側は、安く買いたいですから、とにかく割り引いてもらいたい。ちょど良いバランスで折り合えば良いのですが、そうでなければ決別です。利益相反が発生しているということです。システム開発だって一緒です。要件充足と開発期間短縮はトレードオフの関係です。ユーザーは要件充足を強く推し、システム担当は開発期間を考える。このように利益相反が発生するところで認識相違は発生しやすいのです。そんな時は、一段上の目線、全体最適の目線で関係者と議論することが重要です。
③ 視野の違い
A君がB君を突き飛ばしました。この光景だけを見ると、A君はけしからん!となります。しかし、ここはビルの建設現場。B君に向かって柱が倒れて来ていたとしましょう。この視野で考えると話は変わってきます。このように視野の違いで認識が変わります。社長と課長では見えている景色が違います。課長とメンバーでも見えている景色が違うと思うのです。目先だけを考えるのか、未来のことも考えるのか?でも視野は大きく変わります。認識が合わない時は、見ている景色が違うことを疑うのです。
他にも認識相違が発生する観点はあると思いますが、①②③を意識することで、認識相違によるロスタイムを削減することが出来るのではないかと考えています。