首尾一貫と朝令暮改という言葉を聞いて、どんなイメージが沸きますか?首尾一貫とは「初めから終わりまで、態度や方針が、ずっと同じで変わらないこと。意見や主張などをひとすじに貫いて、矛盾がないこと」という意味です。朝令暮改は「朝出した命令が晩にはもう改められる意で、政策や命令がころころ変わって一定しないこと」という意味です。
最初に決めたことを最後まで買きとおすのは素晴らしい事だ!ころころ変えるのはけしからん!と思ってしまいがちなのですが、実は朝令暮改がプロジェクト推進、課題解決に向けて重要だ、というお話をします。
仕事の中で、いろいろなことを決断していると思います。職位が上がると責任が大きくなり、大きな決断が求められます。間違った決断をすると間違った方向に進んでしまいます。プロジェクトが傾いたり、メンバーが不幸にならないよう正しい決断をしたいものです。でも、すべての決断において100点の判断をするのは、不可能です。
人間ですから間違った判断をしてしまうことはあります。また、スピードが求められる局面では、全容が見えない中での判断になります。正直、正しいかどうかわからない中で、判断が求められることもあるのです。
私は間違った判断をしてしまうのは已む無しだと思っています。問題なのは、間違いを訂正しないこと。間違いに早く気づき、すぐに訂正する。メンバーに対して素直に間違っていた、と言えばよいのです。
根性論で首尾一貫を通してはいけません。間違った方向に進めば、良い結果・成果には繋がりません。待っているのは残念な結果なのです。メンバーからは、方針をコロコロ変えられて、これまでやってきたことが無駄になったと主張されるかも知れません。しかし、長い目で見たら、正しい方向に方針を変更することがメンバーを守ることになるのです。
人には一番最初に思いついたことを正しいと思ってしまう癖があるそうです。それが正しいという証拠集めに走ってしまい、自分ひとりではなかなか間違いに気づけません。だからこそ、自分の判断は間違っている可能性がある前提に立つべしだと思っています。
外的環境の変化が激しい昨今。過去の常識が通用しないことも増えています。その時々に合わせた最適解になるよう、方針やルールを見直すことが求められます。プロジェクト運営においても、PMがメンバーからの一時的な反発を恐れることなく、朝令暮改精神で挑むことが肝心です。